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正しい利用規約の設置方法【利用規約を契約の内容(お互い守るべきルール)とするために】
- 公開日:2014/9/2 最終更新日:2016/07/18
- EC(IT)取引上の問題, サイト運営の開始, 利用規約
- ルール, 利用規約
さて、以前、ECサイト運営に最低限必要なものの一つとして、「利用規約」を挙げた記事を書きました。
利用規約は、通常の取引における契約書にあたるものであるという趣旨のことが書かれています。
つまり、EC取引で、契約書を交わすということはほとんどないため、後々の紛争予防や運営者・利用者が快適にサイトを利用できるようなルールを「利用規約」使って明確化しているのです。
ただし、通常の取引とは異なり、わざわざ契約書をお互いで取り交わしたりという過程を経ないため、利用者がしっかり利用規約を確認しているか等はわかりません。なので、単に「利用規約を作成し、サイトに掲載した」という事実のみでは、利用規約が契約書としての機能(その内容で当事者が納得してる。)をもつとは限らないです。
今回は、「利用規約」を契約内容(契約書と同じ機能)とするための方法を解説します。
目次
1.利用規約を契約内容とするためのルール
ここでも、いつも通り法律の基本から説明します。
他の記事でも書いている通り、契約は、買い手等の「申込み」(この商品を1000円で買いたい。)とそれに対する売り手等の「承諾」(この商品を1000円で売りましょう。)があって成立し、その内容に両者が拘束されます。
なお、これは、「もの」を販売する場合もそうですが、SNSサービスやCGMサービスを利用する場合も同様で、利用者と運営者がお互いに条件やルール内容を認識していれば、それが互いのルールとなります。
先の買い手と売り手の例は、かなり単純なのでピンとこないかもしれませんが、例えば、商品の納期は契約成立後7日以内・支払いは3日以内等のルールも決めておかなければなりません。
しかし、そのルールをいちいちお互いでやりとりするよりも、最初にルールが提示してあって、それに納得した「買い手」が申込みし、そのルールを作成した「売り手」(作成者なので、当然そのルールを知っている。)が承諾をするという方法の方が、より効率的です。
つまり、ここからわかることは、利用規約を契約内容にするためには、買い手等(申込者)が申込み前段階で、利用規約を見て申込みをしたといえる必要があります。
2.具体的にどうすれば、契約内容となるか
それでは、次に具体的にどのようにすれば良いのかを買いていきます。
ここまで、読んで、「どんな方法で利用規約を設置しても、読まない人は読まないよね!?」、「実際、オレ読まずに同意しちゃうし…」という疑問を抱いた方もいると思います。
その通りです。実際に「利用規約」自体を読んでない人も多数存在すると思います。そうすると、契約内容にならないのでは!?とも思われます。
しかし、法律の世界では、「事実認定」というものがあります。つまり、真実は神様しかわからないので、申込みの状況等を勘案して、規約を認識して申込をしたかを判断するのです。
なので、サイト運営者(「売り手」)としては、「このように「利用規約」を表示しているんだから、その内容に当然同意して、「申込み」をしている」という状況を作り出せば良いということになります。
2.1 同意して、申込みをしていると認定される状況
上記の通り、利用規約を契約内容にするには、利用規約が申込み(サイトの利用のためであれば、「会員登録」の申込み」以前に、利用規約が確認できる形で表示してある必要(以下、「事前確認要件」と略します。)があります。
また、②その規約に同意した上で、申込みをしたと認定できる(以下、「同意要件」と略します。)必要があります(あくまでも、「認定できる」です。)。
そして、申込み画面の直前に「利用規約」が設置されていればいる程良い(「直前にあったんだからちゃんと見てるでしょ!?」)ですし、申込みボタンが「利用規約に同意した上で申込む」となっていたり(「当然確認するよね…同意した上でって書いているんだから」、申込フォームに「□利用規約に同意する」とチェックボックスをつけたりするとほぼ確実にOKでしょう。
つまり、目立てば目立つほど良いということです(あくまで、法律的にはですが。)
2.2 具体的対応のまとめ
①サイト上に事前に利用規約を挙げる
②利用規約は、申込みの直前(申込みと同一ページ又は最低でもそのページに目立つ形でリンクを貼る)に確認できる場所に設置する
③チェックボックスや申込ボタンを利用して、「同意した上」での申込みであることを明示する
3.まとめ
以上、長々と説明してきたのですが、この辺りは、他のサイト等を参考にすれば自然とできているということもあります。しかし、運営者としては、なぜそのようになっているのかということを理解しておくことが重要かなと勝手ながら考えています。
今後、サイト設計やビジネスをする際に、応用が利くようになりますので。