ウェブサイトの作成に関する知的財産権の問題まとめ

 事業者の方は、インターネットでの集客に力を入れることが多いと思います。そのため、顧客を集客しやすいウェブサイトを作成することに力を入れていると思います。
 しかし、ウェブサイトを作成する際には「いかに集客につながるか」ということも重要ですが、他人の知的財産権を侵害しないことにも配慮しなければなりません。
 知的財産権の中には、著作権や商標権がありますが、ほかにも不正競争防止法によって、広告をする際に他人の商品名と誤認混同が生じてはならないなどと定められています。
 以下で、順に解説いたします。

1 ウェブサイトの作成と著作権の問題

 まず、ウェブサイトの作成の際にもっとも注意しなければならないのが著作権侵害の問題です。
 著作権侵害の問題は、例えば文章、写真、図などのコンテンツの内容のほか、ドメインの使用に関しても生じる可能性があります。また、最近はリンクを貼ることが著作権侵害にならないかが、活発に議論されています。

1-1 著作権の侵害になるケース

 基本的には、他人の著作物を無断で利用する行為が著作権侵害行為とされます。そして、著作物とは、個性や創作性が発揮されて制作された物をいいます。
 インターネット上で拾ってきた画像等を自らのウェブページに掲載する際には、その画像が著作物でないか、画像の元の掲載サイトの運営者に確認することが重要です。フリー素材サイトから集めてきたものであっても、当該フリー素材提供事業者が権利者から許諾をもらっているとは限りませんので、できるだけご自身で確認される方が安全です。

 リンクを貼る行為の法的問題については、過去の記事で解説していますので、そちらをご覧ください(他人のサイトにリンクを貼って違法となる場合があるのか!?【無断リンクの適法性_通常のリンクの場合】
)。

1-2 例外的に著作権を侵害しないケース

 無断で著作物を利用する行為は著作権侵害行為に該当しますが、法律によって、例外的に許される場面もあります。

 例えば、ウェブページ上でその画像が占める割合を低くして(附従性)、かつ、どの部分が引用された画像であるかを明確に表示(明瞭区分性)することで、いちいち著作権者の承諾を得なくとも画像をウェブページに掲載することができます(著作権法32条)。このことを「引用」といいます。ただし、ウェブページに掲載する際には、画像の出典元を明らかにしておく必要があります(著作権法48条1項1号)。

 また、インターネット通販により販売する商品が美術や写真の著作物である場合には、通販サイトで商品紹介をするために当該商品の画像を掲載することも許されます(著作権法47条の2)。ただし、条文上、「第26条の2第1項又は第26条の3に規定する権利を侵害することなく」譲渡や貸与する場合に限定されているので、違法に複製された写真などを著作権者に無断で掲載する行為は、原則通り著作権侵害になります。

2 ウェブサイトの作成と商標権の問題

 他人が商標登録している商標を無断で使用する行為は、商標権侵害になります。
 特に見落としがちなのは、他人の登録商標を自社ウェブサイトのドメインの中に入れたり、メタタグ等に入れて検索サイトで表示されやすくするなどの行為にも商標権侵害が成立する可能性があることです。

 商標登録されているかどうかは、特許庁HPで検索できるので、ウェブサイトを作成する際には毎回確認することが安全です。
 ウェブサイトの作成と商標権侵害については、こちらの記事(ウェブサイトの作成が商標権侵害になる!?)で、裁判例も紹介しながら詳しく解説しています。

3 ウェブサイトの作成と不正競争防止法の問題

 他人が販売している商品について商標登録がされていなくとも、その商品名が「商品等表示」に該当する場合には、その商品名を勝手に自社のウェブサイト上で使用するなどする行為は不正競争防止法違反になる可能性があります。
 特に、広く知られた商品等の表示と類似した商品表示を使用して、商品の販売等を行い、市場で混同を生じさせる行為(周知表示混同惹起行為)や、自己の商品の表示として他人の著名な商品表示を使用して、商品の販売等をする行為(著名表示冒用行為)は、違法とされています。つまり、他人の有名な商品名を無断で使用することは、商標登録がされていなくても、消費者から見て商品の製造販売元や品質を誤認させるおそれがあるため違法と考えられているのです。
 商品等表示と不正競争防止法については、別途、詳しく解説いたします。

4 まとめ

 以上のとおり、ウェブサイトの作成の際には、他人の知的財産権を侵害しないように注意しなければなりません。他人の権利を侵害した場合や侵害するおそれがある場合には、差止請求や損害賠償請求の対象となることが、著作権法、商標法、不正競争防止法にそれぞれ規定されているのです。もし他人の権利を侵害し、裁判を提起されてしまいますと、事業を行うことが困難となるほか、顧客からの信用を失うというリスクもあります。
 事業者の方は、ウェブサイトを作成する際には他人の知的財産権にも配慮しつつ、不安であれば弁護士や弁理士などにウェブサイトの適法性チェックを依頼するべきです。

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弁護士法人ピクト法律事務所
担当弁護士萩谷真樹

担当者プロフィール

企業法務の中でも、特に知的財産権分野を得意としている。同法人のIT・EC事業に特化している弁護士とともに、知的財産権分野という専門性の高い領域で、お客様へのサービス提供を行っている。

ピクト法律事務所

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