今回は、めずらしく時事ネタ的な記事を書きたいと思います。このサイトの記事でも多く取り上げている景品表示法(景品表示法に関する記事の一覧はこちら)ですが、政府が平成25年10月24日、「課徴金制度」の新設について、その改正案を閣議決定しました。その内容について、今回は簡単に説明したいと思います。
1 課徴金制度の導入
昨秋以降に相次いで起こったホテルや百貨店での食材の虚偽表示問題を受けて導入を目指すことになったもので、開会中の臨時国会で成立すれば2016年度から実施されることになる見通しとなっています。
2 「課徴金制度」の概要
2.1 「課徴金」が課される対象
これまで、当サイトの記事でも紹介してきた不当表示(実際よりも品質等を著しく良く表示する「優良誤認表示」、実際よりも取引条件(値段等)を著しく優良であると表示する「有利誤認表示」等:詳細はこちらの記事)違反により、再発防止措置命令を受けた事業者が対象となります。
2・2 「課徴金」金額
不当表示があった商品やサービスの売上金額が、5000万円以上あった場合に、消費者庁長官が課徴金を科すことになります。金額は、その売上額の3%となります。
2.3 被害回復措置
課徴金が課される不当表示をしても、被害者回復措置を優先して、違反行為をした事業者が自主的に消費者に返金した場合には、その分だけ課徴金を減額する仕組みとなるようです。
2.4 自主申告による減額
消費者庁等が違反の調査を始める前に不当表示を自主申告すれば、課徴金額は、半分になるという制度も一緒に導入されるようです。
3 まとめ
まだ閣議決定の段階ですが、おそらく「課徴金」制度の導入はされることになると思います。EC運営者の皆様に大きく関わりのある法律となりますのでチェックしておきましょう。
なお、消費者庁は、寄付をすれば課徴金を免除、減額する仕組みも検討されていましたが、経団連や議員からの批判で、除外されたようです。