IT導入補助金の概要と注意点

 EC事業では、ECサイトの出来がひとつの重要な勝負どころです。そのため、スタートアップ段階から、ECサイトの構築に力を入れていると思います。
 今回は、そんなEC事業者の方に耳寄りな、IT補助金について解説いたします。平成30年12月18日まで第三次公募期間が延長されましたので、気になる方は要チェックです。

1 どういう補助金なのか?

 まずはじめに、IT導入補助金の概要を解説します。

1-1 実施主体は誰か?

 経産省の監督のもと、一般社団法人サービスデザイン推進協議会が事務局をつとめています。交付される補助金は、国の予算から支出されています。
 交付申請も、サービスデザイン推進協議会のウェブサイトから行います。

1-2 補助金の対象となるのは?

 ソフトウェア、クラウドなどの利用費や、ITツールの導入に関連する経費に対して、補助金が支給されます。

 ただし、どんなITツールでも良いというわけではなく、事務局に事前に登録されたITツールに限られます。それらのITツールは、業種ごとに、生産性向上に資する機能を有していると認められたものです。
 「情報サービス業、インターネットサービス業」の事業の場合、ホームページ制作、要員管理、ゲームエンジン等の専用開発ツール、財務や労務管理などがITツールとして挙げられています。

 IT導入補助金は、このようなソフトウェアの機能拡張やデータ連携ソフトの費用、クラウドの利用料等が補助金の対象とされています。また、保守・サポート費用やセキュリティ対策費用も、支給の対象に含まれます。これらのITツールを新規に導入しようとしている事業者であれば、補助金をもらうことができます。

 ECサイトの制作費用だけでなく、商品・顧客・労務管理のツールも補助金の対象です。特に自社で在庫を抱えるEC事業者の場合、商品数が多くなってくると手作業での管理にも限界が出てくるので、自動で管理できるツールを導入できれば生産性が向上するでしょう。

1-3 補助金の金額はいくらか?

 ITツールの導入に要した経費の1/2以内の金額について、上限を50万円、下限を15万円として、補助金が支給されます。
 スタートアップ企業がホームページ制作をするときにこの補助金を使えば、初期費用を低く抑えることができるのです。

1-4 具体例はどういうものがあるか?

 導入事例で多いのが、顧客管理システム、帳票類作成のIT化、人事労務管理ソフト、会計のクラウドソフトなどです。
 また、ある建設業の会社では、発注、仕入、買掛、支払管理や原価計算ができるITソフトを導入したことで、生産性が30%以上向上したとの報告も挙げられています。

2 交付までの流れ

 ITツールを導入しようとする中小企業・小規模事業者は、まず、IT導入支援事業者に相談・依頼することが必要になります。
 IT導入支援事業者は、相談を受けたら、中小企業・小規模事業者のニーズを踏まえ、最適なITツールを提案します。そのITツールの導入を実施する方針が固まったら、IT導入支援事業者が実施主体であるIT導入補助金事務局に補助金交付の代理申請をし、交付決定が出た後にITツールの導入を行う、という流れになっています。

 IT導入で補助金をもらえる!?

 なお、ITツール導入(ホームページ制作の依頼やツールの購入等)の契約や代金の支払は、交付決定後に行う必要があります。交付決定前に行うと、補助金が交付されませんので注意してください。

3 まとめ

 以上のとおり、IT補助金は、交付を受けるまでの準備や申請の仕方が他の補助金や助成金と異なる点があるので、やや利用しづらい印象です。また、補助金の上限も50万円と若干渋いです。
 もっとも、多少なりとも補助金が下りれば、特にスタートアップ段階の企業様にとってはメリットが大きいでしょう。
 少しでも資金を調達したいとお考えの方は、一度IT補助金の事務局まで問い合わせてみるのはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

弁護士法人ピクト法律事務所
担当弁護士萩谷真樹

担当者プロフィール

企業法務の中でも、特に知的財産権分野を得意としている。同法人のIT・EC事業に特化している弁護士とともに、知的財産権分野という専門性の高い領域で、お客様へのサービス提供を行っている。

ピクト法律事務所

この著者の最新の記事

関連記事

運営者情報

IT・EC特化型リーガルパートナー

お気軽にお問い合わせ下さい

ページ上部へ戻る