中古品のインターネット・オークションサイト運営者(事業者)に適用されるルール【インターネット・オークション事業者と法律】

インターネットオークション

 これまで、当サイトでは、中古品販売等、中古品を扱うビジネスをする場合の許可・届け出についての記事古物商・古物市場主に適用される基本的なルールについての記事を書いてきました。
 今回は、中古品のインターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、どのようなルールを守る必要があるのかについて書いていきたいと思います。

1 古物商や古物市場主の許可が必要か!?

 まず、どのような場合に、古物商や古物市場主の許可が必要になるのかについての詳細はこちらの記事をご覧ください。
ポイントを引用しますと

「古物商」とは、古物を販売、交換、または委託を受けて売買、交換する営業をいいます。

「古物市場主」とは、「古物商」間の古物の売買や交換のための市場を経営する営業するものをいいます。

という感じです。
 ここから分かることはインターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、自ら又は委託を受けて、中古品を売買したり、中古品を他の中古品等と交換する営業をしなければ「古物商」とはなりません。そしてインターネット・オークションでは、通常、出品者とお客さんが当事者として、売買契約や交換契約を締結することになります。インターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、法律的には「自ら」「委託を受けて」中古品を販売するわけではありませんから、「古物商」にはあたりません。
なお、ネットモール運営者、出店者、お客さんの3者でいうところの「ネットモール運営者」と同じ立場になります(法律関係の詳細はクリック)
 また、「古物市場主」は、「古物商」間の古物の売買や交換の市場を経営する必要がありますが、インターネット・オークションは、必ずしも「古物商」間のみの市場とはいえません。つまり、個人が引越しの際にいらなくなった中古品を出品したり(個人的な出品するだけでは、「古物商」あたらないことについての詳細はこちらの記事)、お客さんも「古物商」である場合もむしろ少ないでしょう。ですので、インターネット・オークション運営者(事業者)は、「古物市場主」とはいえないません。

 以上からして、古物商や古物市場主の許可は不要です。

2 「古物競りあっせん業者」にあたるか!?

 古物営業法で一定の規制を受ける営業形態として、「古物競りあっせん業者」があります。これも、中古品販売等、中古品を扱うビジネスをする場合の許可・届け出についての記事に詳細が書いてありますが、ポイントを引用すると

古物の売買をしようとする者のあっせんを競りの方法(インターネット・オークションに限る)より行なう営業をいいます。例えば、サイト上で、自分で使用していた服を他の人に売りたいという人とより値段を高く入札したそれを買いたい人とをマッチングさせて仲介手数料等をとるというモデルがこれに当たります。インターネット等を利用した電子的方法によることに限定されている類型です。

です。
 よって、インターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、まさに、「古物競りあっせん業者」に該当するのです。

3 インターネット・オークションサイト運営者(事業者)が守るべきルール

3.1 届出所等の届け出

 インターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、公安委員会に届出書を提出する必要があります。(古物営業法第10条の2第1項)。届出書その他必要書類やかかる時間や費用についての詳細はこちらの記事の「2.2.2」、「2.3.2」をご覧ください。

3.2 警察への申告義務

 インターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、出品者が売却しようとする中古品について、盗品等の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければなりません(古物営業法第21条の3)。

3.3 相手方の身分確認の努力義務

 インターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、出品者から中古品出品をして欲しい旨の申込みを受けようとするときは、その相手方の真偽を確認するための措置をとるよう努めるとともに、中古品の売買をしようとする者のあっせんを行ったときは、その記録の作成及び保存に努めなければなりません(古物営業法第21条の2、第21条の4)。
 なお、「古物商」や「古物市場主」の場合はこれが義務となりますが、インターネットオークションサイト運営者(事業者)の場合は努力してね!という程度(法律的には「努力義務」といいいます)です。相手方の確認措置の方法等についての詳細はこちらの記事をご覧ください。

3.4 公安委員会の認定を受けることができるが。。

 インターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、その業務の実施の方法が、国家公安委員会が定める盗品等の売買の防止及び速やかな発見に資する方法の基準に適合することについて、公安委員会の認定を受けることができます。認定をインターネット・オークションサイト運営者(事業者)は、認定を受けている旨の表示をすることができる。この場合を除くほか、何人も、当該表示又はこれと紛らわしい表示をしてはならない(古物営業法第21条の5第1項ないし第3項)。なお、この認定制度については、また別の記事で書きたいと思います。

3.5 外国でインターネット・オークションサイト営む場合の規制

 インターネット・オークションサイト運営者(事業者)(日本国内に在る者をあっせんの相手方とするものに限る。)を外国において営む者についても、「3.4」と同様です(古物営業法第21条の6)。

3.6 警察からの中止命令

 インターネット・オークションサイトに出品された中古品について、盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長は、インターネット・オークションサイト運営者(事業者)に対し、当該中古品に係るオークションを中止することを命ずることができます(古物営業法第21条の7)。

3.7 警察署への報告

 警察本部長等は、必要があると認めるときは、インターネット・オークションサイト運営者(事業者)から盗品等に関し、必要な報告を求めることができる(古物営業法第22条第3項)。

4 まとめ

 以上が中古品を扱うインターネット・オークションサイト運営者(事業者)が守るべき、古物営業法のルールになります。
「古物商」や「古物市場主」に比べれば、規制自体はあまりありません。ただ、盗品等を扱っている可能性があるサイトと思われるより、しっかりと盗品かどうかを含めチェックする管理体制があるサイトであるとお客さんに認識してもらった方が、信頼が増し、より集客につながりますので、このような体制を整えるようにしていくことが上策でしょう。

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永吉 啓一郎ピクト法律事務所代表弁護士

投稿者プロフィール

自らもECサイトや新規事業(税務調査士認定制度等)の立上げや運営を行ってきた弁護士。
多くのベンチャー企業や新規ビジネスの立上げ等について、法律的なアドバイスのみでなく「パートナー」としてかかわっている。
得意分野は、ECサイトやIT関連企業を初めとして企業法務と税法

ピクト法律事務所

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