ECでブランド品を広告・販売すると商標権侵害!?【ECでは、どのような場合に商標権侵害になるのか】

商標侵害

 インターネット・オークションや自分が運営するECサイトで、他者製作のブランド品を販売しようとすることがあると思います。

有名なブランドでは、ほとんどのものに商標権というものが設定されています。

このような商品をサイトに広告を出して、販売することは商標権を侵害することにならないのでしょうか。

商標権を侵害すると、権利者から損害賠償請求(民法709条)を受けたり、差止請求(商標法第36条)をされたり、はたまた刑事責任(商標法78条)を負う場合もありますので、注意が必要です。

1 商標権!?

 みなさんも比較的、この「商標権」という言葉は耳にすることがあると思います。

この商標権なのですが、厳密にいうとかなりめんどくさい表現になりますので、ここではわかりやすさを重視してざっくりと説明します。

商標権というは、ざっくりいうと、国(特許庁)が、文字やマーク等について、ある企業や個人に独占的に使用することができますよというお墨付きを与えたものです。そして、他の者(商標権者以外の者)がその文字やマークを無許可に利用することは、この国が認めた商標権を侵害することに場合があるのです。

 もちろん、そのように国からお墨付きをもらうためには、商標の出願をして、登録査定をもらう必要がありますし、わりと一筋縄でいかない場合が多いです(そんなに認めてしまうと他の人がビジネスを始めることを妨害しかねないので)。

出願や登録については、私も相当数こなしています。意外と登録査定をもらうためのノウハウ的なものもあります(本来はそれで良いのか微妙ですが)ので、近いうちにこのサイトで記事が書ければそれについての記事も書こうと思いますが、長くなるので当記事では省略します。

 そして、ECサイトで、ブランド品を販売する場合(個人的に所有していたものや大量に仕入れたものを売る場合等)、当然、その商品の名前や外見をサイトに載せることになる(オークションでも同様)と思います。商標権が設定されているブランド品を自分のサイト(又はオークションで)に商標権者(例えば、ミッキーマウスと書かれたぬいぐるみの場合は、「ディズニー エンタープライゼズ」)の許可なく掲載するすることは商標権侵害にならないのでしょうか。

2 どのような場合に侵害になるか。

 まず、そもそもの問題として、商標権を有している文字や形等を利用した商品そものもや商品を包装に付することは、商標権者に専有(独占的にできる)されており(商標法25条)、ネット上における広告も商標の使用ににあたるとされています(商標法2条3項8号)。

そうだとすると、無許可の上記のブランド品の広告は、常に商標権の侵害にあたってしまう!?とも思えます。

 しかし、商標は、そもそも「業として商品を…使用」しするものとされています(商標法2条1項1号)ので、①「業として」広告等をしているのでなければ、商標権侵害の問題は生じません。

また、さきほどから「無許可のブランド品の広告」といっていますが、②商標権者が正規にその商品の販売を認めている者から購入した場合には、商標権者が市場への流通を(当然、転売のための広告等も)認めたものと考えれられるので、商標権の侵害には当たらないと考えられています(商標権者から購入した場合も当然OKです)。このような商品であることを、法律的には「真正商品」なんて呼んだりもします。当記事では、「本物」とでも呼びましょう。

つまり、①「業として」かつ②「「本物」ではない」場合に、商標権侵害になります

2.1 ①「業として」となる場合とならない場合。

 「業として」というと、会社として販売等をしている場合に限定されるのかな!?とも思われるのですが、ここにいう「業として」は、一般的な感覚的よりも広いので注意してください。

部屋の片づけをしていて、ブランド品がいらなくなったから、ネットを利用して売ってしまおうという場合には、もちろん「業として」とはいえません。

しかしながら、これからバイト代わりに、友達からブランド品を集めてネットオークションやサイトで販売しようと考えて広告をする場合には、「業として」といえますので、注意してください。

2.2 ②本物(「真正商品」)であるか。

 上でも書いた通り、本物であれば、商標侵害にならないのは、商標権者が自らの意思で流通に置いた商品であるからです。
なので、正規に流通している商品でればなんら問題ありません。
 しかし、例えば向上で生産中に横流しされた商品であれば、ここにいう「本物」とはいえないですし、偽ブランド品を偽ブランド品と断った上で販売したとしても(断らないのは論外として)、業として行えば商標権の侵害になりますので注意して下さい。

3 まとめ

 以上のことから、わかることは、通常生活の中で、手にした商品をネット上で広告して販売しても特に問題は生じないということです。

ただし、なぜ問題がないのかという理由を知ることが、ビジネスを応用させていくために必要ですので、当記事を参考にしていただければと思います。

なお、当たり前ですが、偽ブランド品を販売することは許されません。上では、「偽ブランド」と断ってもと書きましたが、もし、偽物を「本物」として販売したりすれば、詐欺罪(刑法246条)として刑事罰に処されることがありますので。

商標に関しては、他にも書きたいことがたくさんありますので、別の機会に当サイトに掲載いたします。

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弁護士法人ピクト法律事務所
代表弁護士永吉 啓一郎

担当者プロフィール

自らもECサイトや新規事業(税務調査士認定制度等)の立上げや運営を行ってきた弁護士。
多くのベンチャー企業や新規ビジネスの立上げ等について、法律的なアドバイスのみでなく「パートナー」としてかかわっている。
得意分野は、ECサイトやIT関連企業を初めとして企業法務と税法

ピクト法律事務所

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